音響革命/超小型高音質スピーカーKOI最新技術

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KOIオーディオのデザイン哲学

オーディオの製品特性と人間心理音響学との関係

KOIはオーディオ設計へのユニークなアプローチによって、並外れた性能のスピーカーシステムを作り上げました。KOIのスピーカーシステムは異例に小さいサイズと外見のシンプルさを持ったシステムコンポで、最高音質の音響再生を達成しました。しかしながら、KOIのデザイン哲学のユニークさはKOIテクノロジーの顧客の間に混乱と驚きの原因となる可能性を秘めています。

これまでの性能評価基準や測定方法に従って定量的に評価しようとすると多くの誤解が生じるのです。 この文書でKOIはそのような誤解を防ぎ、KOIの設計プロセスの基礎をなす、技術的哲学的基盤への展望を提供できるものと信じています。

 

オーディオにおける出力格付け(電力定格)の進化

スピーカーやアンプの評価の慣習は少なくとも50年前に高級オーディオ製品のために確立しました。その慣習はその時代の営業現場で打ち立てられたのです。そこではアンプとスピーカーは独立した製品として販売されていました。今日までこのことは高級オーディオ機器の最も普通の構成として残っています。

消費者が合理的な決定ができるように、そしてまた競争材料として、アンプ製造業者は自分たちのアンプを特殊なパワー出力に対応して格付けしたのです。スピーカーはそれぞれに明白に異なっているので、これらの出力格付けは“ダミーの負荷抵抗器”に基づいてなされました。抵抗器はスピーカーではありません。しかし、繰り返し使えるという利点があるのです。一方、スピーカーの製造業者の方はスピーカーを“インピーダンス”と出力で格付けしました。このような“インピーダンス”や出力という特性は、とりわけ正確なものでも厳密なものでもありませんでしたが、アンプの適切な選択(そして真空管時代には、どのインピーダンスのコネクションかあるいは電力変圧器端子のどちらを選択すべきか)を可能にすると考えられたのです。

ついには、こうして格付けられた「電力定格」が世間の意識の中で“品質”(疑いなくそうではない)を連想させるようになったのです。 合衆国では、米国連邦取引委員会(公取委)が干渉して、標準化した手続きに則った“正直な”格付けを用意するように製造業者に要求しました。 これには二つの影響がありました。まず、格付けのレベルに技術を凍結してしまいました。―――音の再生に関する新しい設計への取り組みや、“ダミーの負荷抵抗”の作用の法的要求に沿わない設計はやる気をくじかれました。もっと重大なことには、法律自体が電力定格に対して品質の尺度としての信頼性に力を貸したのです。製品が実際にどのような性能を発揮するかということより、電力定格の数字の違いの方がより重要だと考えられたのです。

KOIは数字を達成する目的で消費者が“品質”と誤解するような妥協は致しません。

 

人間心理音響学を用いたKOIのオーディオ設計

KOIのシステムデザイン――アンプとスピーカー両方――は、システムの中間段階で様々な“数値”が決められるとしても、実際に人間の耳で聴く音質を最大化することをめざしています。

一例として、アンプはダミーの負荷抵抗でなく、常にスピーカーに接続されます。ダミーの負荷抵抗を駆動するときのアンプの挙動では不適当だからです。したがって、KOIのデザインはダミー負荷抵抗駆動時の挙動を“改善”するために、音響特性上の妥協はいたしません。

もう一つの例として、KOIのデザインはシステムの周波数応答のフラットネスを達成するのが目的なので、多重高周波共鳴を用いてスピーカーの駆動部自体のフラットネスを達成することを目的にして音響挙動を犠牲にすることは致しません。

KOIの人間心理音響学を用いた設計の特別明瞭な一例は、スピーカー部品の効率の選択です。書類上では異なった効率を持つ(たとえば、比較的弱い磁石とKOIのHQドライバ-に用いられる希土類磁石との間の違い)ほとんど同じ二つのスピーカーを設計することは可能です。 “同じ”性能を達成するために低効率のドライバーを駆動するためには、単純にアンプを高出力で用いれば充分と思われるかもしれません。しかしながら、そのようなアンプは低効率ドライバーのボイスコイルをヒートアップさせ、電気抵抗を増加させ、発熱がドライバーを破壊するほどではないときでさえ、音をコンプレッシングさせます。このコンプレスされた音(ダイナミックスの損失とも呼ばれる)は高効率のドライバーが用いられた時に可能なインパクトや透明感を持ちません。これは消費者が“品質”を連想するように躾けられたパワーの“数値”が音質の向上より損失の指標である状況の正確なひとつの事例です。

全ての場合にKOIは“標準の電力定格の測定方法”に勝るのは、リスナーの耳に届く再生音であるというポリシーに従います。最終の分析として、五感で感じ取る音質を生み出すのは、箱の外側に印刷できるどんな数字の組み合わせでもなく、リスナーを組み込んだ全システムの挙動なのです。

 

電力定格の公表

KOIはいくつかの理由でどんな出力特性の公表にも反対ですが最も明確な理由は、そのような特性はただ消費者をミスリードするだけだということです。しかし、私たちはそれが存在する環境に暮らしており、現実は、“数値ゲーム”が出力値を品質の指標だと信じるように、消費者やいわゆるエキスパートまでを導いているのです。

また、KOIのメンバー自身が“数値ゲーム”に嵌ってしまい、顧客とのコミュニケーションで失敗を引き起こしかねません。 KOIは不可避的に製品品質を損なうゲームには関与したくありません。品質こそが最終分析の中でKOIが唯一提供できるものなのです。KOIは“非協力的である”と認識されるかもしれませんが、そうだとしても何も真実からかけ離れているわけではありません。KOIはオーディオの世界で顧客の評価を高めるような製品を開発するために精を出す、それに勝るものはないと信じています。

 

消費電力

“消費電力”というのは“格付けられた電気出力”とは全く別の問題です。消費電力は消費者にいろいろなコンポーネントやデバイスが回路上にかけている“負荷”に関して 情報を提供します。消費電力は消費者の安全に重要な問題になるのです。 多くの安全格付け機関は、家庭内配線に接続されるどんな製品にも消費電力を明記するよう求めています。KOIは自社のデバイスの消費電力のデータを準備しており、公表に問題のない最小消費電力値を明記しています。KOIは製品の“消費電力”値の公表を妨害することはできませんし、することはありません。

 

人間心理音響学の応用技術

KOIは製品説明において伝統的な特性の使用に反対する一方、音響再生システム(アンプ+スピーカードライバー+スピーカーエンクロージャー)、リスナーそしてとりわけリスナーの脳の活動のあいだの相互作用を考慮するデザインアプローチに重きを置くようにしています。

“高忠実度(ハイ-ファイ)”は永く“広周波数帯域”と結び付けられてきました。ハイ-ファイ・システムは2スピーカーの“ステレオ”であるか6スピーカーの“サラウンド-サウウンド”システムであるかにかかわらず、力強い深みのある低音から最高可聴周波数の繊細なニュアンスまで広い周波数帯域をカバーしなければなりません。

しかし、この要求は、最も重要な周波数帯域、人間の声の帯域を犠牲にして満たされてはなりません。この理由は次の通りです。 ある特定の人物は一年に数回のライブコンサートに出席するかもしれません―もっとかもしれませんが。しかし、人間の声は毎日聴くのです。声によるコミュニケーションは人類という種の生存上の重要課題として進化してきたのです。ですから声の音質における小さなバリエーションさえ区別する人間の能力はわれわれの脳の中に強く結線された状態になっているのです。人類はこの点に関して最も感度のよい測定機器よりも感度が高いのです。 “自然”に聴こえる音響再生システムにとって、人の声を再生する時に“自然”でなければならないのです。

KOI HQドライバーの小さなサイズは偶然ではありません。発音のために開いた人間の口と同じ大きさなのです。インダストリアルデザイナーはKOIのスピーカーのエンクロージャーの形を見て、“近代的”とか“目立つ”とか“インテリアに面白い”と考えるかもしれません。そういう問題ではないのです。この形は“箱形”を避けて設計されました。箱形は自然界ではありえません。そして、箱形は“音は箱からやってくる”と強く刷り込まれた人間の脳に対して目立ちすぎるのです。

KOIシステムではクロスオーバー周波数が人間の声の帯域にはありません。人間が話すとき、クロスオーバー周波数はないからです。

KOIスピーカーは発熱を最小化(熱交換を利用したボイスコイル冷却のための特許技術によって高効率)し、発熱に付随するダイナミクスの損失を最小化する設計となっています。 人の声はそのようなダイナミクスの損失も一切ないからです。

人間の脳は人間固有の方法で“聴く”ように進化してきました。そしてKOIのシステムデザインは明確に人間の脳が働く方法を考慮に入れるように設計されています。 このことはKOIシステムが声の再生だけに限定されていることを意味するものではありません。KOIのデザインは“音響再生システム”ではなく“人間相互作用システム”をデザインすることを意味しているのです。――そこでは、スピーカーシステムは“孤立したデザイン”ではなく、むしろ、リスナーと高度に進化したリスナーの脳を含む“全体”の中の統合された部分なのです。人間の脳がコミュニケーションを最大化するように進化する一方、そのプロセスの中で脳は音楽を聴く最高の道具にもなってきたのです。

KOIのデザインはその人間の脳と相互作用する最も可能性のある道具として設計されたものであり、不可避的に音楽を再生するためにも最も有効な手段になると信じております。 しかしながら、KOI人間心理音響学(“自然”)のデザイン・アプローチには予期されるいくつかの結果があるのです。

丁度、人類が自分の声で“講堂を満たす”能力を持たないように、ホームユースのためのKOIのデザインは大きな空間には適しません。大空間を処理するには先ず“充分に音を大きく”する必要があります。劇場のスピーカーはその最初の要求(“充分に音が大きい”)を満たすために音の再生に当たって自然さを“諦める”のです。KOIの非常にコンパクトなスピーカーは家庭のリスニングルームでは“充分に大きい音”が出せます。これにはKOIのホームシアター製品を含みます。これは典型的なリビングスペースで映画のサウンドトラックを実際の映画館と比較できる音量レベルの充分な大きさの音で再生できるでしょう。しかし、小さな部屋で大型アンプによって大型スピーカーを駆動して得られるような文字通り耳をつんざくような音量レベルを求める人は多分満足することができないでしょう。

 

結論

ここまでで述べたことによって、未来のKOIデザインのユーザーが適切な性能への期待を発展させることができるように、システムデザインに対するKOIの考え方に関して充分な情報を提供できていれば幸いです。この文書がまた将来KOIデザインを広告したり詳細を記述する方々に、KOIとこれまでのデザインとのはっきりした違いを理解する中心的なガイドとして役立てることを期待しています。このような違いを区別することは、この製品にとって消費者の満足と商業的な成功への通り道だというのが私たちの強い信念なのです。