以前、[koi]と発音する言葉、鯉、恋、濃い、来い、乞い、故意などを論じたことがありますが、その中の「乞い」に関連して「教えを乞う」という想い出話を何回かご紹介しましよう。
遥か昔、学生時代の話になりますが、京都太秦にある剣道範士九段の大先生宅をお訪ねしたときのことです。
「君たちは先生に稽古をつけてもらう時は命がけで掛かれ。先生から一本を取るために必死でできることは何でもやれ。突きでも何でも失礼などということはないので遠慮なく試みよ。間違った技であれば指導者は打たせない。正しい技だけ打たせるのだから。間違った技を打たせるようでは指導者の資格はない。」とお教えをいただいた。
この教訓は私たちへのお教えであると同時に、先生ご自身の指導者としてのお覚悟と自信を示すものでもあったと思う。
ひるがえってわが身を振り返ったとき、自分が人を指導するに当たってこのようなことを言えるかだろうか、実践できるだろうか。はなはだ心許ない。(2011.4.20 h.k.)



