不況感が蔓延し、一刻も早い景気の回復が待たれているが、そんな中、かりに所得が上昇してもあまり消費活動に向かいそうもない世代が登場している。(『「嫌消費」世代の研究』 松田久一著 東洋経済新報社刊)
1979年から1983年の間に生まれた世代は、家や車を持ちたいとは思わす、レンタルでよい、大型テレビなどかっこ悪い、衣類もため込むより、ユニクロのものを使い捨てて毎年買い替えた方がいいと考えているという。
いま金がないから買えないということではなく、消費活動が不活発なだけ金が残る勘定で、30歳までに一千万円の貯蓄を目標するなど、どうも価値観がコンパクト、シンプルを志向しているようだ。
筆者の長男も1983年生まれで丁度この世代。聞いてみると、上記のような価値観はぴったり当てはまるらしい。 しかし、彼らにも高級品に対する志向や憧れが無いわけではない。大画面TVを好まない彼らもコンパクトで高画質の有機ELテレビには憧れる。
こういった憧れの商品の購買を決定するにあたっては、周りの評判が重要だという。それもネガティブな方向での影響が大きいらしい。友人やネットでの悪評は非消費に直結するようだ。
長男に聞いても、信用できる会社か、親しみ、人間味を感じるか、ホームページに好感を持てるかが重要であるという。
彼らを、突然変異、一過性の世代というより、これからの社会全体の消費スタイルの先行指標として注目すべきだと思う。
この世代よりもっと若い世代はどうであろうか。ちょっとした情報の断片であるが仕事柄気になることがある。
「青春音楽小説」という小説のジャンルが生まれているらしい。 高校生くらいの若者たちの学園生活、音楽生活を描いた小説で、劇画『のだめカンタービレ』と同じ流れにある。
例を挙げると、
『船に乗れ!』Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ巻 藤谷治著 ジャイブ株式会社刊
『カルテット』鬼塚忠著 河出書房刊
『よろこびの歌』 宮下奈都 実業之日本社刊
『さよならドビュッシー』中山七里著 宝島社刊
『のだめ~』が若者のクラシック志向の象徴としてよく取り上げられるが、この傾向はより発展しているということだろうか?
最近、KOIの音を聴いて、いい音ですね、に止まらず、凄いですね、信じられないという人が多くなったが、それは決まって楽器を演奏していり人やライブ好きの人である。「青春音楽小説」のお陰なのかもしれない。この読者層の世代や先の非消費の世代はオーディオにどんなスタンスで接することになるのだろう。楽しみである。
(2010.2.3 h.k.)



